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  • 執筆者の写真Shiori ICHIKAWA

「pause•print•pause」のお礼

更新日:2021年11月13日

冬の風を感じられる気候になりました。

かなり遅い更新となってしまいましたが、堀岡暦さんと一緒に企画した「pause•print•pause」は無事会期を終えました。


緊急事態宣言が発令される中の開催となりましたが、感染症対策にご協力いただいた上で沢山の方々にご来場いただき、また、今回はオンライントークという企画を行いましたが、私たちから投げかけた質問への回答(とても良い回答!)も多くお送りいただいて、それも楽しく読みつつ。発見と笑いの中に過ぎた会期でした。


今回展示を行った銀河101は、大学の同期でもある大人倫菜さんを中心として運営されているアーティストランスペースで、普段はアトリエなどとして使用されており、今回は第3回目の展示企画となりました。

民家を改装したスペースのため、生活とアートスペースの境目が曖昧となりおもしろく、また、民家の並びに突然現れるアートスペースと作品が、生きることと身近なものに感じられて好きでした。

大人さんは学部時代からワークショップやアートプロジェクトなど多くの企画を行なっており、また、ペインターとしても活躍している多才なひとで、銀河101が持つ唯一無二の雰囲気には、彼女の持つ美意識がしっかりと生きているなと思っています。


展示の様子


堀岡さんも学部から院まで同じ空間で制作をしていて、とても長い付き合いです。さまざまな分野に精通している彼女の知見の深さ、そして作品の細部へのこだわりは素晴らしく、いつも背筋が伸びる思いです。おまけに作品の洗練されたテクスチャーの裏側にある、なんとも面白い人間らしさも彼女の魅力だと思います。


SNSではお知らせしましたが、今回は現地でのアーティストトークを中止とする代わりに、オンラインでのトークの収録を行いました。

大人さんと堀岡さんに引っ張ってもらい、私もしどろもどろながら言葉を発することができました。

それぞれの作品の背景、思いなどを語っておりますので、いつまでアーカイブとして残るかは未定ですが、お暇時に聴いてみてください。銀河101のウェブサイトに残ると思います。


口で話すのはとても難しいです。今回改めて実感しました。テキストで打つときはすらすらとでてくる言葉が、自分の口を通るうちに声にならず、蝶々結びのように難解な言葉の迷路のようになってしまうのはなぜなのか。。。

口で話すこと、テキストを打つこと、絵に描くこと、英語に翻訳すること。その過程の違いによって、言葉を紡ぐ道筋自体もガラリと変わるように思います。

自分の言葉の話せなさにはやや凹みましたが、せっかく生まれたお悩みタイムなので、しっかり深めていきたいです。あのダニのように。


今回展示した作品は、ウェブサイトの作品一覧にも掲載しました。

最近はテキストをあまり載せないのが良いのでは?というフェーズに入っております。私が描く物語が、もしや鑑賞者の視野を狭めているのではないかと危惧しているからです。

描かれた状況や事実などは、ブログやSNSなどで少しずつ話せたらなと思います。


さて、次回の展示は、1月に個展が一つあります。

もう何度もお世話になっている、六本木のs+arts(スプラスアーツ)さんのところで、一部屋を使っての個展です。もう一部屋はグループ展があるそう。そちらも楽しみにしています。

私はペインティングを中心に展示します。油絵をコマーシャルギャラリーで出すのは、実は初めてです。以前そうめい堂でやった時はアクリル画でした。

油絵は受験の時に少しやっていたのですが、その重みと、一枚に対する思いの大きさが、大学に入った後の自分の不安定な心では支えきれず、心が擦り切れてしまったので、しばらく休んでいました。

久しぶりに嗅ぐ油絵の匂いは、とてもいいものです。歳を重ね、自分を大切にすることを応援してくれる数少ない人たちと丁寧にものごとの選択ができるようになった今、少しずつペインティングを描き進める強さのようなものが自分の中に育ってきたように感じます。

学生の頃は怒りと悲しみを熱源に描いていた油絵ですが、今は少し違ったものを燃料にできていると思います。


ブログも、少しずつ更新していこうと思います。






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